増税によって2極化するパチンコ業界

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業界ネタ
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こんばんはリルムです。

パチンコ業界に携わって15年ほど経過しました。

店長になるまでは競合店との稼働差が少し気になるだけで、自店や自社の売上を含む社内情勢なんか考えてもいませんでした。

社会人として、ビジネスマンとして半人前だったと思います。

やはりこういった自分にとって身近な数字を把握することって日常から当たり前にやった方が良いことだし、自分の身の丈を超えてでも数字の把握と改善ってものは訓練しておくべきことです。

これが当たり前にできれば自ずと昇格できるだろうし、周りから一目置かれる存在になると思います。

今後は店長になるってこと自体が難しくなっていくと思いますので、新卒社員だろうが班長だろうが、与えられた仕事ばかりこなしていないで、一歩進んだ業務にドンドン手を出していくべきだと思います。

今回はこのように自店の状況、業界の数字や中枢を知らないと、マジで生きていけなくなるという話です。

各社新卒の採用に悪戦苦闘しているようですが、無責任に夢ばっかり語って高卒の子とかを採用したりしてるのは複雑な思いです。

「頑張ればあなたも1年で店長になれます!」

「成果主義だから、頑張った分だけ自分に返ってきます!」

的なコロシ文句で、ふらふらした就活生を確保していると思いますが、現実は厳しいですね。

大手とそれ以外の差がでかい

さて本題ですが、もうちょっとで増税による消費税10%がスタートします。

パチンコ業界は最近になって、力の差が顕著に出始めてきましたが、増税以降これがさらに激化すると予想されます。

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新店を建てるリスクが大きく、既存店に設備投資がかかりまくっているせいで、ある程度金を持っている大手の法人しか事業展開できず、弱小店はギリギリまで営業して撤退していくというような流れです。

なので、一定の内部留保が無い法人は採算の取れない店から潰していくことになります。

最近の業界情勢は、金のある法人がドンドン強くなり、ない所がドンドン消えていくという感じです。

耐えていれば勝手に弱い競合が死んでいきますからね。

設備投資

なぜ「増税」が大手と弱小の2極化を加速させるのかというと、設備投資によって尋常ではない金がかかるからです。

大きなものは、現金サンドの交換が挙げられます。

新紙幣への対応だったり、貸玉数を変えるシステムが入っているものは新品で買った場合、人件費込みで1台あたり10万以上かかる見込みです。

500台の店なら5000万です。

どうかしてますよね・・・・

新台入替は将来的に代金の回収が目算されていますが、こういった設備投資は言ってしまえばムダな費用です。

法律が変わらなければ必要のないものですので、全く意味がありません。

2014年の4月に消費税が8%になりましたが、その時のことを思い出してもらいたいと思います。

あの時は全国のほとんどの店で、貸玉や交換率に変化がありました。

スロットが1000円で47枚貸になったり、等価交換から5.6枚で100円になったりとホール側がどこかで税金分を差し引くようになったと思います。

また、貯玉による再プレイに上限が設けられたりと、ユーザーにとっては良い話はありませんでした。

これは、消費税が5%から8%に上がったことで、今までホール側が負担していた税金分をお客さんにも負担してもらおうという動きがあったからなんです。

いわゆる外税、内税と2種類ありますが、上がった3%分の税金を「貸玉」か「交換」にて上乗せ(差し引き)したって話です。

で、これが10%になったとき、さすがに10%は大きいってことで多くの法人が「外税方式」を取るんじゃないかと言われています。

要するに1000円でメダル50枚から47枚とか46枚になっていくってことです。

現行使われているサンドで、枚数変更のシステムが入っていれば良いのですが、古い店ほど交換する必要がありますので、果たして全国の店が数千万かけてこれをやるのかどうか。

大手はこれに対応していけますが、弱小店舗はサンドが買えず貸玉金額を変えられないわけですから、必然的に内税方式を取ります。

そうすると負担は交換率にいきますから、6枚7枚交換になってしまいます。

設備投資についていけない弱小店はさらなるユーザー離れに陥るというわけです。

出費の追い打ち

増税による設備投資とは別に、年末までにもうひとつ控えていることがあります。

旧基準機の撤去です。

年内で、スロットの旧基準機に該当する遊技機を設置台数の5%以内にするっていうルールに加え、そもそも期限切れで撤去しなくてはならない台が多くあります。

初代まどマギ

アナザーゴッドハーデス

バジリスク絆

モンハン月下

この辺を全て撤去しなくてはなりません。

一番設置台数が多いのはバジリスク絆かと思いますが、いずれにしてもこいつらを全て撤去した後入れる台が必要です。

まあ、ムリに入れなくても良いんですけど、スロットコーナーはかなりスッカスカの状態になってしまいます。

少なくても何かしらの台で補填はするでしょうから、ここでも費用が発生します。

今でもトップの稼働をしている機械ですから、代替えに適当な機種を入れるわけにもいきません。

自ずと機械代がかかってしまうわけですね・・・・

そこで、現実的なのは減台という作戦です。

多分スロット専門店で400台以上ある店は、ほぼ減台になると思います。

今設置してある旧基準機が概ね15%くらいだと思うんで、台数にして60台。

これをそこそこ良い台で埋めるとしたら、1台当たり新台価格40万としても

2400万

買わないでしょw

この60台が、初代北斗とか吉宗に戻るってんなら2400万かける価値はありますけど、リゼロ、まどマギ、ディスクアップ、どれも抱えきれません・・・。

現実的に減台するのが相応の作戦と言えるでしょう。

来年の追い打ち

まだあるんです。

どうやら来年の4月にオリンピックがあるらしいんです。

そこで、どういうわけかパチンコ店にも「完全分煙化」というシステムが導入されるらしいんです。

タバコを吸わない私にとっては、両手両足を上げて喜ぶべきなんですが、業界にとっては深刻な問題です。

まず、金です。

ホール内に喫煙ブースを作るためにまたまた設備投資が必要です。

各業者の見積もりをざっと見ましたが、大体300万~500万くらいでしょうか。

もはや感覚がマヒしてきてるんですが、この金額が損益上営業利益からから引かれるって、かなりデカいです。

特に1パチ専門店とかは、これだけで年間赤字になる店もあるんじゃなかろうか。

これも法律の暴力によって金だけ掛かる無意味な投資です。

しかし、コレに投資できないホールも「分煙」自体は必須のことなんで、どうにかしなければいけません。

もし金を掛けないとすると、

ホールは全面禁煙ですので吸う人は店外の灰皿へどうぞ

夏や冬は結構ムリがありますが、今の所これしかありません。

日本でもタバコというものが悪い文化として認知されてきている中で、喫煙者にとってはパチンコ店はオアシスみたいな存在でした。

しかし、これまた法の暴力によって喫煙できない施設になろうとしています。

当然ユーザーは吸える方にいくでしょうから、弱小ホールはさらにユーザー離れが進んでいきます。

詰みと罰

こんな感じで、10月の増税をスタートにパチンコ店はドンドン無意味な金を使う予定を組まされています。

説明した通り、これらに従えないホールはユーザー離れが必須でしょうから、もはや詰んでいるとしか言えません。

もし、法律を無視して設備投資も増税も関係なく生き残ろうとする強者がいれば、それはそれで評価に値します。

まあそれがまかり通ったら、金使った法人が全身全霊を持ってボコりにいくでしょうが・・・

と言うワケで今後、半年~1年の間に業界はかなり震撼すると思われます。

迷走しそうですねw

ただ、前回の増税後にしばらく甘い営業をした店が稼働低迷を防げたというデータもありますので、コンサルに右ならえの法人さんは10月が逆に狙い目かもしれませんw

*その先に前倒し認定をした機械の撤去(普通の店でも100台クラスの強制撤去)も控えているので、令和3年の1月にはもっとヤバい事件になりそうなんですが、私の予想ではここら辺までには何かしらの緩和措置が図られていると考えますので今回はスルーしときます。

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