店長になって何年か経過し、担当した店舗も増えてきました。
それぞれの店で起こった印象的な出来事の中に、クレーマーや不良客の対応があります。
今回はそういった人達がエスカレートした挙句「不当な要求」をしてきた時にどうすべきかという内容で書いていきたいと思います。
クレーマー・不良客はパチンコ店に発生しやすい
パチンコ店は往々にして、こういったお客さんとのトラブルが発生します。
どこの店でも、「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」
という接客用語を使っていると思うんですが、特に「ありがとうございました」については語弊があったりします。
例えば、帰り際にすれ違うお客さんに「ありがとうございました」と声を掛けたとしても、もしかしたらその人は10万負けてるかもしれないです。
そういう場合、本来「ありがとう」というのが店に来てくれたことに対してだったとしてもお客さんにとっては気持ち良いものではありません。
(負けてくれてありがとうってことかこのクソ店が)
コンビニやスーパーは、支払った金に対して弁当や飲み物という分かりやすい対価があるため「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」の図式がスムーズにいくんですが、
パチンコ店はそうならないことが多いため、あいさつ一つでもクレームに発展してしまいます。
コンビニの食べ物や飲み物の提供は、手元にモノ残る安価サービスというのに対して、
パチンコ店は出玉やアミューズメント性という所がサービスが主となっているので、高価な上に手元に何も残らないということが起こりえます。
残念ながらパチンコ店はアミューズメント業界で唯一サービスを受けた人の大半が不満を抱える業種かもしれません。

クレーマーの事例
過去にも書きましたが、こちらの不手際によるクレームが一番タチ悪いです。
まあ不手際があった時点でこちらも悪いのは確かなんですが、明らかに理不尽な要求を押し付けてきたり、それをきっかけに出る台を聞き出そうとしたり、自分が店の中で優位な立場になろうとしてくる人もいます。
逆に単純に大ハマりを喰らったとか、低設定を打って大負けしたっていうクレームは最近あまり受けなくなってきました。
共通していることなんですが、対応している途中から相手のボルテージが上がってくるんですよね。
何かのトラブルで、出玉がうまく払い出されなかったとか、故障してそれ以上の遊技が続行不可になってしまったとか、こういうパターンでクレームに発展するときは大体こうなってきます。
要するに、店側の不手際で自分は悪くないから、この機会にガンガン言ってやろうという心理が働くんだと思います。
こっちはこっちで不手際があった以上、謝罪し続けるしかないわけですから、その態度を見てドンドン要求がエスカレートしていくって話です。

出玉の補償の要求であったり、対応したスタッフをクビにしろと言ってきたりと、明らかにコチラを困らせようという目的が含まれていることがあります。
パチンコ店の接客モデルが悪い
こういった不当な要求があるのは、パチンコ業界だけではないと思います。
ただ、こういうレベルの話でイチャモンをつけてくる人が出てくるっていうのは、やはりその業界自体に問題があるような気がします。
サービス業に「接客」というものが重要視されてきたのは、ココ20年くらいで大分加速したように思えます。
特にパチンコ店においては、過去にパンチパーマの店員が~という話から、ホテルマンやキャビンアテンダントの接客を取り入れるくらいまでになりました。

これは、接客を良くしようという風潮が徐々に暴走しすぎて、良くない方向で差別化し始めたことが原因です。
これがパチンコ業界で当たり前のことになり、「笑顔」「元気」というのを全力にやるのが当然というのがマニュアル化されてしまいました。
相手が「おかあさんといっしょ」の子どもなら良いですが、来店客は良い大人ですし、強めの興奮を求めている方たちばかりです。
「笑顔」「元気」はもちろん大事ですが、どうも違和感のある接客をしている店が多い気がします。
前も書いたかもしれませんが、「笑顔」が気持ち悪い人もいますからね。
こうした「お客様!おきゃくさまがいちばんです!」というちょっとはき違えたユーザーファーストの感情があるから、クレーマーや不良客に対峙できない空気を作り出しているのではないかと思います。
お客様の言っていることも正しい。
失礼な態度で怒らせてしまった。
クレームが本部に行ったらどうなるか分からない。
スタッフはこのような心理に陥ってしまうため、クレーマーへの対応に引っ込みガチになっているケースが多いんではないでしょうか。

毅然な対応を
実は先日、研修のようなものがありまして、暴力団等の不良客から脅迫などを受けた時どうするか。
みたいなテーマで話を聞いてきました。
その中で印象的だったのは、
「相手の納得がゴールではない。話を平行線に持っていくことがゴールである。」
というクレーム対応の専門家の言葉でした。
こちらに不手際があった時って、どうしてもお客さんの怒りを鎮めたくて、「謝って、提案して、謝って、提案して」を繰り返して納得してもらおうとするんですけど、
もしそれが「不当な要求」だと感じたんであれば、一切言うことを聞く必要はないということです。
なので、コチラの不手際はしっかりとお詫びしたうえで、要求された「アイツをクビにしろ」「設定教えろ」とかの訳の分からない話は、
「先ほどの件は申し訳ありませんでしたが、そちらの件は対応できません。」
といってしっかりと拒否すべきなのです。
相手がそれで納得しなかったとしても、ここからは平行線になるわけですから、相手が折れるまで拒否しつづけるしかありません。
もし、仲間を呼ぶとか、死ぬまで居座るというのであれば、さっさと警察を呼びましょう。
逮捕させるとかではなく、この理不尽なやり取りに立ち会ってもらうというスタンスで良いと思います。
要は、不当な要求は飲まなきゃ良いんです。
ネチネチ要求してくるヤツにムダな時間を使う必要はありません。
私は4時間ほどやり取りとしたことがありますがw
大事なことは、事実に対して真摯に対応しながら、相手の要求レベルが上がってきたら粛々と毅然な態度を貫くことです。
相手はここぞとばかりに、ヤンキー、ヤクザっぷりを発揮してきますが、これで金もらえたらラッキーくらいの気持ちで言ってきてるだけですので、構う必要ありません。
ヘタに「お客様第1主義」とか言ってる法人は気を付けた方が良いですね。
現場でクレームを受けてる従業員はみなうつ病になってますよ。
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