こんばんはリルムです。
今回はパチンコ店の端玉景品と呼ばれるお菓子についての話です。
会員カードを持っている人はこういったお菓子を受け取る機会は少ないと思うんですが、現金投資でレシートをカウンターに持っていく人は、特殊景品にならない端数を駄菓子に交換していると思います。
パチンコ店は全ての玉やメダルを景品と交換しなければならず、本来であれば1円パチンコや0.5円パチンコの1玉であっても景品交換の対象になります。
ただ、10円未満の商品というのが社会に流通しておらず、この辺は努力義務になっているのが現状です。
一物一価の概念が再認識されだした数年前には、端数の1玉まで厳正に交換できる商品を置こうとしてマスク1枚やつまようじ1本といったモノを置いている店もありました。
つまようじ1本0.5円のような概念だったんでしょうね。
で「いらない」と言われたお菓子はどうなるか
さて、そんなわけで端玉のお菓子というものが1日を通して多数出品されます。
ご存知の通りパチンコ店にはうまい棒を始めとした多数のお菓子がありまして、5円くらいのアメから200円くらいのクッキーまで様々です。
交換の際にこれらを持って帰る人がほとんどですが、特殊景品のみを交換して残りのお菓子は返品する人もいます。
大体これが溜まると、1日でスーパーの袋いっぱいくらいになります。
これが月間でゴミ袋2~3つ分くらいになりますから、相当な量のお菓子が事務所にストックされていきます。
で、これをどうするかなんですが店舗によって方針があると思いますがウチの店は近所の施設に寄付しています。
以前は本社で集めて系列の飲食店で使っていたらしいのですが、最近は寄付する形をとっているようです。
もしかしたら、先日の台風とかの被災地へ寄付している法人もいるかもしれませんね。
相当な量のお菓子が余っていますから、寄付するのが一番良い方法かもしれません。
返品お菓子をパクってクビになった奴の話
カウンターの景品倉庫にストックされているお菓子は、種類も量も多いのでとにかく管理が大変です。
加えて返品されたお菓子が分かるように別にして管理しなければいけませんから、ほぼ100の可能性で誤差が出ます。
ただ、お菓子の誤差はマイナスであっても金額的に微々たるものですし、返品お菓子の分はプラスなわけですから店側の損失が出ることはほとんどありません。
仮に玉数の多い景品を渡してしまったり、景品バイキングでお菓子がパクられてしまってもその損失がマイナスになることはないと思います。
なので、お菓子の誤差というのはあまり厳密に追求されないことが多く、原因が分からないものはカウンタースタッフの人的ミスで片付けられることになります。
そこでたまに出てくるのが「菓子ドロボー」です。
景品の出品はすべてPOSで管理されていますので、その日に出た景品が記録されています。
毎日在庫と出品数が開店前の数字と合っているかチェックしますから、基本的には景品をパクることはお菓子の一つでもバレるようになっています。
しかし、返品されたお菓子というのはデータ上は出品したことになっていますから、これを返品用にまとめないでパクることが可能です。
お客さんが要らないといったものを自分でもらっちゃうということですね。
菓子ドロボー痛恨のミス
かなり昔の話なんですけど、この返品お菓子を横領して懲戒処分になった阿呆(あほう)がいました。
とある日に私は休憩室のゴミ箱に駄菓子のゴミが捨てられているのを発見しました。
まあ休憩中に駄菓子を食べるスタッフもいるとは思いますので普通はあまり気にしないのですが、その時はどうもウチの景品のラインナップとかぶっているなと感じたので、変な違和感を覚えたのです。
ただ、まさか返品お菓子を喰うなんてことは想像してませんから、しばし様子を見ることにしました。
全員の休憩中にさりげなくスタッフの身の回りをチェックしてると、ある社員がうまい棒を喰っている所に遭遇しました。
私はその姿を見た直観でコイツはやってるなと思いました。
「へー駄菓子なんて食べるんだ」
「これ好きなんで、コンビニで買ってくるんです。」
「一個あげましょうか?」
と、あくまでも休憩中に喰うために買ってきているということでした。
そいつは社員なので、カウンターに入る事もある男性スタッフだったのですが、女性スタッフへの上から目線の態度がウザがられており、店では嫌われていました。
ある時、女性スタッフの1人からこの嫌われている社員がお菓子を喰っているんじゃないかという密告がありました。
私自身、「やっぱり」とは思ったものの決定打になる証拠もなかったのでどうしたもんかと思っていたのですが、どうやらこの女性スタッフがカウンター作業を交代しようとした時に何かを発見したようでした。
それというのが・・・
歯にのりがくっついていた
・・・・・・
しかし、それだけでは犯行の裏付けとは言い難い。
どうしてそれが菓子をパクっている事につながるのかと聞いてみると、
「私の好きなキャベツ太郎だから分かるんです。」
「しかも休憩前には返品お菓子の箱の中にキャベツ太郎が入ってたのに、さっき見てみたら無くなってました。」
「最近返品お菓子の数が減ってるような気がしたんで、一番嫌いなあの人から疑ってみたらたまたまそれっぽかったんです。」
なんと、キャベツ太郎が好きだという女性スタッフの洞察によって、嫌われているという理由から疑いの目で見られた結果、実際にお菓子をパクっている疑惑が決定的になってきました。
のりがくっついていたというのはギャグにしても、返品お菓子の行方を注意深く見ていた女性素タフのファインプレーと言えるでしょう。
そして、今日の出来事ですからやろうと思えばカメラの確認もできます。
しかし面倒なのでこの男性社員を事務所に呼び出し、直接話をすることにしました。
「君さ、返品お菓子ちゃんと管理してる?」
「もちろん、やってるつもりですけど・・」
「君がカウンターの時のことを調べたら、どうもお菓子が減っているような気がするんだけど。」
「しかも、この前休憩中にお菓子食べてたし、疑ってるようで悪いんだけどどうだろう。」
「いや、知らねースよ!」
「カウンター入っているのは他のヤツもいますし!」
「なんでオレだけが疑われるんですか!?」
「オレがさっきたまたまカウンターでガムテープ探してる時はキャベツ太郎が返品であったはずなんだけど、今はなかったんだわ。」
「で、同じ質問を女子スタッフにもしてるんだけど、やっぱり知らないっていうからさ」
「誰かに盗まれてる可能性もあるからカメラで確認して警察呼ぼうと思うんだ。」
「・・・・・・・」
その後、ひっそりと犯行を認めたこの男性社員は返品お菓子の横領でクビになりました。
自主退社をするので、この件は黙っていてくれと言われましたが、内容がくだらないにしても正社員の不祥事は報告すべきとして本社へ通告しました。
人が悪さをして会社を去ることは往々にして起こりえます。
警察官がわいせつ行為、教師が盗撮、セキュリティ警備員が窃盗など、私利私欲のために行う背任行為は、職を失うということと「恥」という社会的制裁を受けなくてはいけません。
現金カード清算や設定の漏洩などパチンコ店にも色んな悪事が蔓延しています。
店長としては部下に対して仲間の様な感覚を持ちながらも、起こっている事実に対してしっかりと疑いの目を持って接していかないといけません。
そうじゃないと突拍子もない裏切りに遭遇してしまうので、求められるのは熱血教師のようなリーダーシップだけではなく、冷静に状況を分析できる軍師のような能力ですね。
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