こんばんはリルムです。
今回はパチンコ屋の景品で置かれている100円ライターを「交換したら1日で壊れたんだけど。」
というクレームがあった話をしたいと思います。
結構前にあった話なんですけど、クレームが発展してひと悶着あったので記事にしてみました。
クレームが苦手、対応ができないという人向けに参考になればと思います。
どうぞご覧ください。
交換したライターが壊れたから交換しやがれ
私が責任者の時の話です。
土曜か日曜だったと思いますが、夜の9時くらいに一本の電話が鳴りました。
「お電話ありがとうございます。パーラーリルムです。」
「あのさあ、昨日そこでライター交換したんだけどさ、これ1日でぶっ壊れたんだけどどうなってんの?」
「ご迷惑をおかけして大変申し訳ありません。」
「現物を確認して、交換させて頂きたいと思います。」
「いや、おめぇよ。」
「交換すんのは当然だけどさ、こういうライター置いとくって時点でおかしいだろうよ。」
「客ナメてるとしか思えねぇよな?」
「申し訳ありません。」
「どうしても生産の過程で不良品が混じってしまう事がありまして・・・」
「いや、おめぇよ。」
「さっき交換するって言ったけどよ。」
「なんで不良品つかまされたオレが出向かなきゃいけねんだ?」
「そこまでのガソリン代とかも出してくれるんだよな?」
壊れたライターの責任と弁償までの流れ
クレームの内容はこうでした。
店で交換した100円ライターが1日で使えなくなった。
交換するのは当然として、なぜ店まで客が行かなければいけないのか。
わざわざ自分の時間とガソリンをかけてライターを取りに行きたくない。
さて、こういった場合どのように対処すればよいのでしょうか。
ちなみに会話をしてて分かったのですが、どうやら結構な勢いで酔っているようです。
酔っているとはいえ、恐らく当店のライターが壊れたって話は本当だと思ったのですが、今からお客さんの元へライターを届けるのは安全面を考えると色いろと問題ありそうです。
そして、文章でサクッと書きましたがここまでの中身を把握するのに40分くらい電話をしています。
閉店にも近づいてきて、色いろと終えなければいけない仕事もありましたので、「対応を上のモノに確認する」と言って一旦電話を切りました。
その後、上司である店長へ電話し、状況を説明しました。
「・・・・というような感じで、ライターを持ってこいというような話になっているんですが。」
「んんー難しいね。」
「あんま前例ないパターンだから・・・折り返すって言ってあるの?」
「ハイ、相談して折り返すと言って切ったんですが、すでに向こうから何回か電話来てます。。。」
「閉店作業あるんで抜けれないですし、アルバイト行かせるワケにもいかないですよね。」
「んんーそうだね・・」
「よし、じゃあオレの携帯の番号教えて良いよ。直接話してみるわ。」
ええええ!?
クレームにはどこまで応えるべきか
こうして、店長に酔っ払いクレーマーをパスした結果、店長がそのまま家まで新品ライターを届けるということになったようです。
店長いわく
「ほっとくのも面倒だし、死にはしないだろうと思った。」
ということですが、実際こうしたクレームについてはどこまで応えるべきなのでしょうか。
社会通念上の良識があるかないか
サービス業にとってクレームはつきものです。
パチンコ店で言えば、出ないとか遠隔・詐欺といったクレームの他に、台が打ってる途中で故障してしまったとか、大当りがパンクしたとか色いろあります。
そこで一通り不満をぶちまけられるのはお客さんの気持ちも分かるので、真摯に受けとめながら対応した方が良いです。
しかし、そこからエスカレートしてムリな要望を通そうとしてくる場合は容赦なく突っぱねなければいけません。
ココの判断は実際に対応して訓練する必要もあるのですが、ポイントは「社会通念上の良識な意見なのか」どうかです。
ちょっと分かりにくいのですが、かみ砕いて言うと「第三者が見ても絶対同じことを言うかどうか」です。
「ちょっとそれはないんじゃないの」とか
「それがぐらいでキレるとか脳ミソ溶けてるんじゃないの」
といった意見が出てきそうなら要望に応える必要はないでしょう。
クレームなんて言えば店は謝ってきますから、いくらでもゴネることはできます。
そこに付け込んで「得をしよう」とか「憂さ晴らしをしよう」というのがクレーマーの性質ですから、そこには注意して、できること・できないことをハッキリと伝えるべきかと思います。
こうしたトラブルによるクレームは必ずありますから、先ほども書いた通りお客さんの心理を理解したうえで不満や怒りは受け取って、できることとできないことを冷静に判断する必要があるのです。
これができないと、部下に失態をなすりつけてしまったり変な前例を作ってしまったりしますからね。
今回のライターの件はどうなるか
ということで、今回のライターについては店長が新品をお客さんの自宅に届けたという対応でしたが、これは正しい判断だったのでしょうか。
結論からいうと「NO」ですね。
今回の場合は典型的な悪質クレーマーです。
確かに不良品のライターを掴ませてしまったのは店側の不備ですので、故障したモノを交換するくらいの義務はあると思います。
ただ、それを自宅に届けさせるというのは「第三者が見ても~」という見解から考えると全会一致にはならなそうです。
昨日買ったクルマが今日故障して、どうしても会社に行けないとかであれば緊急性は高いのかもしれないですが、今回はライターですから故障のレベルが違います。
もちろんクレームを言う側からすれば「金額の問題じゃねーだろ!」という意見も分かりますが、
「いや、たかが100円ライターでしょ。今度来た時交換しますよ。」
というのが「社会通念上○○」という見解なのです。
つまり、社会的には金額の問題なんですね。
金額とかそれに付随する労力とか時間とかが、「割に合ってるかどうか」が争点になります。
(民法の損害賠償とかではこんな事例がたくさん出てきます)
加えて、店長が単身で謝罪に行っていますが、これもよろしくありません。
酔っ払いのクレーマー相手に何かトラブルになることも考えられます。
携帯の番号を教えるとかも基本的にはクレーム対応の中ではNG行為ですね。
この辺は間違った責任感だと思います。
クレーム処理は謝罪した上でどこかに着地点を設ける必要があります。
その過程でできること・できないことをしっかり相手に説明しなければなりません。
今回の店長は面倒くさがってNGパターンで対応してしまいました。
早期解決にはなりましたが、もしかしたら人的トラブルに発展した可能性があります。
クレームはエネルギーを使う非常にやっかいな仕事です。
一定のテンプレはありますが、人と人のやり取りなので必勝法はありません。
もちろん無くすべきものではありますが、起こった時に相手が理不尽なクレーマーだと判断したら、その時点で客ではないという判断をして要望を突っ張ねるのも店のためですね。
クレームやトラブルは起こってみないと事前に予見できないこともありますから、普段から心構えだけは備えておくべきかと思います。
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